M&A仲介会社とは?FAとの違いについて

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  • 事業承継知識
  • 2021/04/09

M&A仲介会社とは?FAとの違いについて

2021年1月に開催された大手証券会社のセミナーにおいて、河野太郎行政改革担当大臣が発言したとされるM&Aの仲介に関する見解に注目が集まりました。具体的には、M&Aの仲介会社が売り手と買い手の両方から手数料を得るのは利益相反だという見解です。河野大臣は2020年12月にも自身のブログで同様の指摘をしており、このような慣習を改善したいとも述べたため、大手上場M&A仲介会社の株価が急落しました。

M&Aにおいて、自社が求める条件や希望を通すためには「交渉力」が重要なカギを握ります。M&Aで利用されることのある仲介会社とはどのようなものなのでしょうか。

この記事ではM&Aにおける仲介会社の概要やFA(ファイナンシャルアドバイザー)との違いなどについて解説します。それぞれのメリット・デメリットにも触れて業者選びのポイントを紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

M&Aにおける仲介とは?

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」を略した表現であり、日本語では「合併と買収」と表されます。M&Aの仲介とは、企業の合併と買収を進める際に、同一の仲介会社が売り手と買い手の間に入り交渉をサポートしていきます。

仲介会社はあくまでも中立的な立場であり、売り手と買い手のそれぞれが示す条件を踏まえた上で双方が合意できるよう調整します。この場合の仲介会社は売り手と買い手の双方から手数料を受け取りますので、どちらか片方の利益を追求することはできません。

本来であれば、売り手であればできるだけ高く、買い手であればできるだけ安くM&Aを成立させたいという相反する意向が働きます。しかしながら、仲介会社はそうした利益が相反する両者から手数料を受け取る立場であるため、それぞれの意向に等しく寄り添うことよりも、双方が合意するための着地点を探ることが優先され、その結果、売り手と買い手双方にとって満足のいく最適な条件での取引が阻害されてしまうおそれがあります。河野大臣が利益相反として問題視しているのはこの部分についてです。

M&AにおけるFAとは?

M&Aにおいて、売り手または買い手のどちらか一方に対して助言する役割をもつ立場をFAと呼んでいます。FAとはファイナンシャルアドバイザーのことであり、売り手または買い手のいずれか一方をサポートしてM&Aを成功へと導きます。

M&Aの仲介会社はあくまでも中立的な立場として対応するのに対し、FAは売り手または買い手のどちらかにとっての利益最大化を目指すのが特徴的です。FAは売り手または買い手の一方から依頼を受けるため、手数料も一方からしか受け取りません。

日本の中小企業におけるM&Aは仲介が主流であるのに対し、上場企業同士のM&Aや海外のM&Aにおいては、利益相反の問題が顕在化しやすく、FAを活用することが一般的です。

M&Aで仲介会社に依頼するメリット

M&Aを行う場合、仲介会社に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではM&Aにおいて仲介会社に依頼するメリットについて具体的に解説します。

M&Aが成立しやすい

仲介会社に依頼すると、FAよりもスピーディーにM&Aが成立しやすいといわれています。なぜなら仲介会社は売り手と買い手の意見を中立的な立場で把握するので、双方が合意するための着地点を見つけやすいからです。

もちろん仲介会社によっても得意としているM&Aは異なります。たとえば、中小企業同士のM&Aを成立させた実績が多いところもあれば、事業承継の成功率が高いところもあります。M&Aを行う際は、自社が求める条件や希望を実現できそうな仲介会社を選ぶことが大切です。あらかじめ仲介会社の実績を把握しておくことで、M&Aの成功率を最大限に高められます。

比較的短期間で成立する

仲介会社は売り手と買い手の両方から条件を聞いて着地点を見据えた交渉サポートに徹するため、条件が近いなら比較的短期間で成立する可能性があります。他方、売り手と買い手の条件や希望に相違がある場合は、仲介会社と契約をしてくれる他の買い手が見つかるまで、プロセスが完全に停止したまま時間が過ぎてしまう場合もあります。

仲介会社は売り手と買い手双方から手数料を受け取るため、両方に配慮しながらスピード感をもって交渉を進めることができます。

M&Aで仲介会社に依頼するデメリット

M&Aで仲介会社に依頼するときはデメリットといえる部分もあります。ここでは具体的なデメリットについて説明します。

M&Aプロセスが不透明

仲介会社は売り手と買い手の中立な立場としてM&Aを成立させるため、利益相反(利害対立)が生じ、一方の立場が有利になるように価格を含む諸条件の交渉を買い手と行うことは困難です。また、構造上、仲介手数料を多く払う買い手を優先するインセンティブが働くため、売り手には見えない部分で買い手企業を誘導されてしまう可能性があることを念頭に置かなければなりません。
また、売り手・買い手それぞれの利益の最大化よりも、「案件成立」が主眼となり、買い手毎の想定条件をブラックボックスにしたままスピード感のある買い手を推薦する可能性があるため、プロセスの不透明さが一つのデメリットとなります。

買い手が限定される

仲介会社がサポートする場合、プロセスの初期段階で買い手に独占交渉権を付与し、交渉相手を1社に絞ることが一般的です。仲介会社は双方と契約をする仕組みであるため、早い段階で買い手を限定し、スピーディーに案件成立へと進めてしまう点には留意が必要です。また、仲介会社に手数料を支払うことに合意した買い手のみが候補企業となるため、より幅広い選択肢のなかから買い手候補を見つけたい場合には売り手にとってはデメリットとなります。

売り手はやや不利になることもある

M&Aが成立した後は、仲介会社が売り手と接点をもつ機会はほとんどありません。一方、M&Aがスムーズに成立すれば、買い手は次のM&Aを行う際に同じ仲介会社にサポートを依頼する可能性があります。M&Aの場合、売却は何度も行うものではありませんが、買収は企業の意思によって何度も行われる場合があるからです。

仲介会社は中立的な立場であるものの、今後の立ち回りを意識して交渉を進めているケースもあります。買い手に有利な交渉を進めて満足してもらおうとする仲介会社も少なくないため、特に売り手は注意しなければなりません。
M&Aの交渉を仲介業者に依頼する場合、仲介業者は売り手と買い手の双方から手数料を受け取りますが、この場合必ずしも両者の手数料が同額とは限りません。

M&AでFAに依頼するメリット

ここまでM&Aの際に仲介会社へ依頼するメリットを紹介しました。一方、FAへ依頼する場合はどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、M&Aの交渉をFAに依頼する具体的なメリットを解説します。

依頼者の希望条件を第一に案件を進めてくれる

FAが契約できるのは、売り手または買い手のどちらか一方だけです。依頼者の代理人の立場で交渉してくれるため、自社にとって最も理想的な条件や希望で交渉をスタートさせられます。FAは契約する企業側の利益を第一に考えるので、遠慮せずに強気なやり取りを進められる点が大きな魅力といえます。

特に売り手は、仲介会社に依頼した場合よりも好条件で交渉を進められる可能性が高く、売却金額が高くなるケースもよくあります。売却金額にこだわっていて、なるべく高額で売却したいと考えているなら仲介会社よりもFAへ依頼するほうがおすすめです。

幅広い買い手に打診し、条件比較が可能

仲介会社は早期に買い手候補を1社に絞り、独占交渉権を付与して特定の相手と交渉を進めていきますが、FAの場合には買い手企業の制限なく幅広く買い手候補に打診するため、1次意向表明段階では1社に絞らず、複数社とデューディリジェンス及び契約書交渉へと進めます。複数社を残すことによって、競争環境を保ちながら売り手に有利な条件を引き出すことが可能であることや、最後まで複数社の条件比較ができるため、より幅広い選択肢のなかから買い手先を検討できることは売り手にとってのメリットとなります。

M&AでFAに依頼するデメリット

M&AにおいてFAに依頼するときはデメリットもあります。ここでは具体的なデメリットについて確認しておきましょう。

M&A成立までの期間が長くなることがある

自社だけでなく相手もFAに交渉を依頼している場合、双方が利益の最大化を目指すため交渉が難航する恐れがあります。両方のFAが強気の交渉を続ければ、M&Aが成立するまでにかかる期間も長くなることがあります。それを避けるためには、買い手に直接アプローチが可能な幅広いコネクション有無や、入札プロセスにより期間管理しつつプロセス運営できるFAかどうかを確認しておくことが重要です。

M&Aで業者を選ぶ際の注意点

M&Aで業者を選ぶ際はさまざまなことに注意する必要があります。仲介とFAのどちらを選ぶかも重要なポイントですが、それ以外のポイントに関しても紹介します。

どこまでサポート体制が整っているか

M&Aは企業同士の重大な契約であるため、交渉を進める際は専門知識が必要不可欠です。そのため、相談から交渉成立までのあらゆる場面を徹底的にサポートできる体制が整っている業者を選びましょう。

なかには基本的な交渉にしか対応しておらず、税務に関しては税理士、法務に関しては弁護士と別途契約を結ぶ必要がある業者もあります。M&Aを進めるためにはさまざまな手続きが必要であるため、どのようなサポートを受けたいかによって最適なパートナーを選びましょう。

業界特化型か全業種対応型か

M&Aに対応している業者のなかには、業界特化型のところもあれば全業種対応型のところもあります。業界特化型は特定の分野に特化しているため、それぞれの業界ならではの事情に詳しく知識が豊富です。

一方、全業種対応型は業界を超えてM&A候補先の検討が可能であり、業者の種類もたくさんあります。同じ業界同士でのM&A成立を目指しているのでなければ、全業種特化型の業者を選んだほうがより幅広い可能性のなかから最適な相手を見つけられます。

どのような業界、業種の企業とM&Aを成立させたいか、希望に合わせて検討するとよいでしょう。

料金体系は明確か

M&Aの料金体系は、業者によってさまざまです。たとえば、相談料、着手金、月額料金などの費用は業者によってどれくらいかかるか異なっています。

業者を選ぶときはホームページを確認したり、実際に相談して明確な料金体系を示してくれるところを選ぶとよいでしょう。複雑な料金体系を設定している業者は実際にかかる費用の合計がわかりにくく、あとから予想以上の金額を請求される恐れもあります。実際にどれくらいの費用がかかるか事前に確認するためにも、複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。

一般的に、成功報酬型の業者の場合、「レーマン方式」というM&A対象企業の売却金額や事業価値などを基準に料率の変わる画一的な料金システムを採用していることが大半です。但し、同じレーマン方式でも算出の基準が業者によって異なる点に留意が必要です。業者によっては、最も成功報酬額が大きくなる移動総資産額に対してレーマン方式を適用するケースもあり(余剰の現預金等も料率を適用)、現預金を多額に有する企業などは手数料が過大になる可能性があるため、どの金額を基準として成功報酬が計算されるか事前に確認をする必要があります。

【まとめ】

M&Aの交渉を進めるなら、仲介やFAなどによるサポートを受けるとスムーズです。ただしそれぞれにメリットとデメリットがあるため、自社の状況や目的にあわせて最適な業者を選ぶ必要があります。サポート体制や料金体系などをチェックし、安心して交渉を任せられる業者を探しましょう。

納得のいく条件でのM&Aの成立を目指すなら、利益相反のないファイナンシャルアドバイザー(FA)であるGCAサクセションにご相談ください。M&Aの経験が10年以上あるプロフェッショナルが多数在籍しており、売り手・買い手のどちらかの立場に立つ代理人アドバイザーとしてクライアントの利益の最大化に貢献いたします。

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